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■有山佳伸 「ファイナンシャルプランナーのマネー講座」

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返済不要!「給付型奨学金」の準備は大丈夫ですか?

借りた奨学金を返せず、本人や保証人(親族)が自己破産するという悲しいニュースが増えてきました。お金を借りてでも大学には行きたい、行かせたいけれど、毎月数万円を社会人になってから15年も20年も返していくのは大変です。
そこで、今回は返済不要の「給付型奨学金」を取り上げます。

● 国の「給付型奨学金」を申し込むには?
これまで、国の奨学金は「貸与型」のみでしたが、2018年度から「給付型」が本格始動しています。
「給付型」は、募集年度の前年に申込を締め切ります。例えば、来春2019年度に大学進学するご家庭の場合、今年2018年4月頃に実施される学校(高校等)の奨学金説明会に参加して資料を持ち帰り、5~6月には申込というのが普通です。お子さまが説明会開催の「ご案内プリント」を放置したまま、いつの間にか説明会が終わっていた、ということがないように気を付けましょう。


● 国の「給付型奨学金」、一体いくらもらえるの?
国の予算の都合で、2018年度の「給付型」の新規採用はわずか2万人です。そのため、応募の対象を「住民税の非課税世帯」に限定しています。また、国公立大・自宅通学なら月額2万円、私立大・自宅外通学であれば月額4万円というように、いくらもらえるのかは「進学先」と「通学方法」という2つの組み合わせで決まります。
給付型は本当にありがたい制度ですが、これだけでは厳しいという場合は、他にも検討することになります。


● 意外に知られていない、大学の給付型奨学金
「給付型」には、大学で運営されているものもあります。
大学独自の例では、早稲田大学の「めざせ!都の西北奨学金」や、慶應義塾大学の「学問のすゝめ奨学金」が有名で、首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)以外からの進学者が対象です。首都圏や近畿圏など、大都市圏の有名私大を中心に数十大学規模で実施されています。
大学1年から受け取れるものは、大学側の人材確保が目的ですので、募集人数が多めで給付額も大きいものの、前年の秋までに予約を締め切るところが少なくありません。「入学先が決まったら情報収集しよう」と考えていると、間に合わないのです。なお、入学してからもらえる奨学金の多くは、成績がトップクラスでなければ厳しいです。
また、私大では「授業料免除」という支援も増えていますが、反対に授業料免除が多かった国公立大で「給付型奨学金」が増えており、「給付型」だけで100種類以上という大学もあります。


● 意外に知られていない、民間企業や自治体の給付型奨学金
給付型奨学金を運営している企業もあります。在学する高校や進学先の大学を指定した上で、条件を満たした学生に手厚く支給する事例が目立っています。
また、自治体ではUターンやIターンで所定の企業に就職すると、国の貸与型奨学金の返済を助成するものなどがあります。大学や地方自治体が実施する奨学金制度については、日本学生支援機構のホームページが便利です。
これらの情報は、大学の説明会や、募集案内の奨学金情報などでゲットできます。

受験生を抱えるご家庭では、お子さまの健康への配慮と気づかいのほかに、受験料や学費の工面など、何かと大変ですね。ただ、給付型に限らず奨学金は応募制なので、条件を満たしていても気が付かないまま締切りを過ぎてしまったら終わりです。利用できるかどうかは親の情報戦の成果にかかっているので、くれぐれも時機を失することがないよう入念に準備しましょう。

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