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■有山佳伸 「ファイナンシャルプランナーのマネー講座」

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「働けないときの強~い味方!傷病手当金と出産手当金」

 傷病手当金(しょうびょうてあてきん)は、病気やけがで働けないときの収入をカバーしてくれる公的医療保険の制度です。
 出産手当金は、産休中の休業補償になります。
 どちらも、働けないあいだの家計を支えてくれるありがたいお金です。
 今回は、これら2つの手当金についてご紹介します。


 ● どんな制度なの?
 傷病手当金は、病気やけがを原因として連続3日以上休んだ時に、4日目から受け取れます。無給で連続して休んでいる日数が対象で、有給休暇はカウントしません。
 入院せずに自宅で療養していても、「働くことは難しい」という医師の診断書があれば、傷病手当金を受け取れます。傷病手当金の支給期間は、基本が1年6か月。健康保険組合や共済組合によっては、支給期間を延長しているケースもあります。
 出産手当金は、産前42日、産後56日の合計98日間の産休中に受け取れます。予定日より出産が遅れたり、逆に早まったりすると、支給日数は増えたり、減ったりすることもあります。退職者でも、条件を満たしていれば受け取れる場合があります。

 傷病手当金と出産手当金の支給額は、どちらも標準報酬日額(*)の3分の2程度です。金額だけで考えれば、どちらも1日あたりの受取額は同じです。
(*)基本給や残業代などを含めた毎月の総支給額を、たとえば「総支給額20万円~24万9,999円の場合⇒『22万円』」と一定金額ごとに区切って設定したものを「標準報酬月額」という。「日額」は、それを30(日)で割った金額。


 ● 病気・けがと出産が重なってしまったら?
 では、たとえば切迫早産で長期間お仕事を休んでいる間に産休に入ったり、産休中に運悪くけがをしてしまった場合はどうなるでしょうか。
 傷病手当金と出産手当金を受け取る要件を同時に満たしている場合は、両方を同時に受け取ることはできず、出産手当金が優先されます。
 傷病手当金を受け取っているあいだに産休に入ると、傷病手当金の受取は一旦停止し、出産手当金に振り替わります。ただし、産休が終わっても傷病手当金を受給できる状態が続いていれば、再び傷病手当金を受け取ることが可能です。
 働くよりも収入が多くなるようなことはありませんが、困ったときには本当にありがたい仕組みになっていますね。


 ● 民間保険の活用について
 サラリーマンでも一定以上の収入がある方や、有給休暇もなく傷病手当金を受け取れない自営業の方などは、不安を感じているケースも少なくないようです。
 民間の保険会社などでは、働けなくなった時の保障や女性の保障に力を入れており、色々な商品が出てきています。ただし保障内容も大切ですが、まずご自身やご家族にとっての「働けないリスク」を一緒に考えてくれる相談相手を見つけましょう。

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